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2019.11.13更新

今日はお産の進行に関係しているホルモンにお話したいと思います。

お産の進行に関係しているホルモンはいろいろありますがまずはじめにあげられるのが「オキシトシン」です。

オキシトシンは子宮を収縮させるホルモンです。陣痛誘発や促進する際に使われる薬でもあります。オキシトシンは脳の下垂体というところから分泌されます。

別名「愛情ホルモン」とも言われていて赤ちゃんがおっぱいを飲む刺激でも分泌されます。

オキシトシンが分泌されると、脳は安らぎを感じます。不安な気持ちを押さえて情緒を安定させ、自律神経を整えて、「安心できて心地よい」という感覚を促すのです。また分泌されると痛みに対する耐性が増し、精神的ストレスも緩和されます。オキシトシンはスキンシップやマッサージなどで分泌が促進されます。

お産の最中でしたら、ご主人にさすってもらうのもいいかもしれません。

次にあげるのは「βエンドルフィン」です。

βエンドルフィンは別名「脳内麻薬」といわれる神経伝達物質で強力な鎮通作用や多幸感をもたらすといわれています。マラソン選手が苦しいのを通り過ぎると気持ちよくなるランナーズハイと言われている状態でも分泌されているようです。陣痛は波がありますが、お休みの時にウトウトしてしまうことがあります。これはβエンドルフィンによるものです。

陣痛は必ず波がありますから、痛みではなく、このお休みの時間に意識を向けてみるのもいいかもしれません。時々お産が気持ちよかったとおっしゃる方がいますが、それは痛みではなくこのβエンドルフィンの作用をしっかりと感じ取ったからだと思われます。

最後にあげるのは「アドレナリン」。これはお産の進行を妨げるホルモンです。こちらは別名「闘争ホルモン」と言われています。不安なときやこわいとき、緊張しているときなどに分泌されます。アドレナリンの分泌が増えると、オキシトシンやβエンドルフィンの分泌が抑えられ、痛みが強くなり、さらに不安が増してきます。お産の進行を妨げるだけでなく、血管収縮作用により赤ちゃんも苦しくなってしまうことがあります。

アドレナリンの分泌をおさえるにはリラックスすること、お産の最中にリラックスといっても難しいかもしれませんが、深呼吸をして体の力を抜くことがとても大切になってきます。また頭を使わない、いろいろ考えない。ただただ陣痛の波を感じるということがいいかもしれません。

 

3回にわたって陣痛のお話をしてきましたがすこしはこわさが軽減したでしょうか?

陣痛は赤ちゃんを押し出す力、痛みだけではなく痛みも含め出産そのものが素晴らしい体験であるという気持ちをもっていただけたらなあと思います。

投稿者: 根本産婦人科


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