ドクターコラム

2023.10.13更新

待ちに待った過ごしやすい季節になってきました。これからどんどん涼しくなっていきますが、今年は例年になく早いペースでインフルエンザの流行がやってきそうです。千葉県ではすでに「今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す注意報レベル」を超え、インフルエンザの感染が例年にはないような早い時期に広がりを見せています。同時にせき止め薬などの薬不足が深刻な状況になってきそうです。是非早めにワクチンをお受けいただきたいと思い、本日はインフルエンザについてお話します。

インフルエンザ感染症は、インフルエンザウイルスに感染することで、高熱や喉の痛み、関節痛・筋肉痛みなどを引き起こす感染症です。通常、毎年冬場に流行することが多いですが今年は早いですね。重症になると肺炎や脳炎などを起こし、意識障害や呼吸困難などを起こすことがあります。
このインフルエンザウイルスに対するワクチンがインフルエンザワクチンです。接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありませんが、感染しても発症を70%程度抑えることが出来、また90%という高率で重症化を阻止する効果があります。ですがこのワクチン、接種してから効果が出るまで約2週間かかります。つまり今日接種しても、効果が出るのは月末ということで、その頃には大流行の入り口に入っているかもしれません。ですから本年は早めの接種をお願いします。ただしインフルエンザワクチンはその製造過程で微量ですが卵の成分が入るため、重度の卵アレルギーや鶏肉アレルギーがある方は注意が必要です。接種を受ける前に必ず医師に確認しましょう。
もし突然38℃を超える高熱や関節痛、全身の筋肉痛などの重い症状があらわれたら感染した可能性があります。感染を予防するのがワクチンですが、かかってしまってもインフルエンザには治療薬があります。侵入したウイルスの増殖を抑えることで、症状を和らげたり、症状が治まるのを早くする効果が期待されます。ただし、症状が出てから48時間以内に使い始めなければ効果が乏しいので早めの診断が重要になります。鼻の奥を綿棒で拭うことでわかりますので早めに検査を受けて下さい。
最後に妊娠中の方へ。次回詳しくお話しますが、妊婦さんに対してもインフルエンザの予防接種が推奨されています。治療薬も使えます。また生まれてくる赤ちゃんがインフルエンザにかかる確率が下がることが分かっています。当院でも、例年より早く今週からワクチン接種と開始していますので、妊婦さんこそ早めのワクチン接種、治療をお願いします。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之

投稿者: 医療法人社団凌雲会

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