ドクターコラム

2023.07.11更新

緊急必見情報
「お母様!娘さんの将来をお守りください!
未来のために子宮頚がんワクチンを受けましょう。」

HPVワクチンの案内は市から届きましたか?
子宮頚がんは30代女性の癌の罹患率で乳がんについで2番目に多く、しかも20~40才代の方に多く発症するため、若い女性、小さいお子さんがいるお母さんが亡くなる恐ろしいがんです。
でも幸運にもこのがんには予防する方法があるのです。それが子宮頸がんワクチンです。
このワクチン、接種開始当初は副反応が出る方がいらしたため、しばらくの間積極的な接種が行われませんでした。この間にも世界では120か国以上で接種が進められ、カナダ87%、イギリス83%、オーストラリア82%の接種率を達成。オーストラリアでは「2028年には子宮頸がんが撲滅される」という予測結果が出たほどです。
この間、日本は大きくおくれてしまい、2021年秋8年ぶりにHPVワクチンの積極的勧奨が再開されたにも関わらず思ったほど接種率が上がらず、現状日本では6%程度に留まっており、毎年10000人が子宮頸がんになり3000人が亡くなっています。
詳しいことは次回お話しますが、今回この話題を取り上げたのは、ワクチンの積極的勧奨が無かった時期、接種を受けられなかった現在16才-26才のキャッチアップ(今までできてないことに追いつくためにやる)世代の方に早く接種を受けて頂きたいからです。というのもこの公費によるキャッチアップ接種制度は3年間しかなく、期限が来年度までですので3回の接種が来年度までに完了されなければなりません。つまり逆算すると、あと1年、来年2024年9月までに1回目を接種しなければ間に合わないという差し迫った時期にきているのです。現在私のもつ大きな不安は、このワクチン、自費でお受けいただくと約10万円かかりますので、ますます接種が進まなくなることは火を見るよりも明らかで、日本においてだけ子宮頸がんで若い女性、小さいお子さんをお持ちのお母さんが亡くなってしまうという悲劇が続いてしまうことです。
どうか副反応などその他心配なことは十分わかりますが、何度でも相談に来ていただいて構いません。ご理解いただけるまで説明します。
またキャッチアップ世代の娘さん、知り合いのいる方、ぜひ勧めてあげて下さい。

今回はHRT編2の予定でしたが、すみません、次回もう少しワクチンのお話をさせて頂き、次次回から、また更年期の付き合い方に戻ろうと思います。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之

投稿者: 医療法人社団凌雲会

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