ドクターコラム「更年期のつき合い方〜鍼灸、アロマ編~」

更年期障害についてこれまで漢方薬、プラセンタ 、 HRT(ホルモン補充療法)とお話してきました。ただ、薬に頼りたくないとか、これらの治療は不安とか、効果がいま一つとかとおっしゃる方もいないわけではありません。当院にはそのような方のためには、鍼灸、アロマセラピー、サプリを上記治療法の組み合わせ、代替としてお勧めしています。
□鍼灸
更年期障害は女性ホルモンが減少することが原因ですが、そもそもホルモンの分泌は自律神経によって調整されています。当然ホルモンが減少すると逆に自律神経にも影響し、今度は自律神経が乱れます。この乱れた自律神経が、乱れたままホルモンを調節しようとするので負のスパイラルに入ってしまうのです。少なくなってしまったホルモンを補うのがHRT、少ないなりに血流を良くすることで回してあげようというのが漢方、そして調節している自律神経そのものを整えるのには鍼灸が一番です。鍼灸は長い年月の中で確立されてきた実績のある治療法です。単に一時的に血流を良くするのではなく、自律神経を整え、全身の状態そのものを良くすることを目指します。当院には国家資格を有する優秀な鍼灸師が常勤しています。更年期のみならず、自律神経や不定愁訴、痛み・しびれでお困りの方、薬に頼らずに健康に過ごしたい、いつまでも若々しくありたい方、一度お話を聞いてみて頂くのもいいかもしれませんね。

□アロマセラピー
更年期にはアロマの活用も有用です。植物の花や葉から抽出した精油の芳香成分を体内に取り入れることで心身の状態を良くすることを目指します。更年期障害に対しては、アロマを嗅ぐことで、幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されることが分かっています。このオキシトシンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることも明らかになっています。またストレスや不安の軽減、血圧が低下し心拍数が落ち着き、自律神経が安定する効果があることがわかっているので、幸せホルモンと呼ばれています。 したがいまして更年期だけでなく、女性ホルモンが減少しがちな生理前やマタニティブルーにも効果が期待できます。
このアロマ、ご自身で行うことも出来ますが、中々深いです。専門の勉強をした人のもとで行うのとそうでないのとは全然違います。是非ご相談下さい。

□サプリ 『エクエルプチ』(大塚製薬)
豆腐などの原料となる大豆に含まれるイソフラボンが、女性の健康に良いらしいというのが話題になって久しいですね。実は効果があるのはこのイソフラボンそのものではなく、イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることにより産生されるエクオールという物質です。エクオールは女性ホルモンであるエストロゲンと似た化学構造を持つので、エストロゲンと同じような働きをするので、エクオールを摂取することで、更年期に減少したエストロゲンを補うことにもなることが期待できるということです。ですから豆腐、納豆、豆乳等をたくさん取ればいいじゃないかとお思いでしょうが、そもそも必要な量を摂るのは大変なことに加え、大豆イソフラボンが腸内で分解されないとエクオールにならないわけですが、残念ながらこのイソフラボンを分解しエクオールに変換してくれる腸内細菌を50%くらいの人しか持っていないことが分かっています。ですからせっかく一生懸命豆腐を食べてもエクオールにならなければエストロゲン様の作用は出ないので、イソフラボンをエクオールに変換した製剤を摂ることが合理的であるということになります。当院では、エクオール製剤として『エクエルプチ』を採用しています。1粒を小さくし飲みやすくしたものです。医院でしか手に入らないため興味のある方はご相談下さい(1カ月5000円)。

先にHRTとその他の組み合わせというお話をしましたが、当院の師長がまさにその効果を実感しています。
HRTの経皮貼付剤、メルスモン注射、漢方で元気よく働いております。
効果の始まりとしては、眠りの質がよくなったところからはじまり、ホットフラッシュが激減したとのこと。
経験を踏まえての相談が受けられますので、迷われている方は、師長へ相談をお勧めします。

長々とおつきあいいただきありがとうございました。
根本産婦人科医院 院長 根本 将之

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